ベアフットランニングで見つけた、疲れにくい走り方、その1。「腕振り」

ベアフットランニング、特に完全な裸足ランニング。足裏で、接地の感覚をそのまま感じることができる。

足裏にソフト、衝撃の少ない接地ができると、それはそのまま、無駄な筋力を使う必要がなく、関節にも優しい「疲れにくい走り方」。

 

ウルトラマラソンでも疲れない上手い走り方を探して、ベアフットランニングを始めてみた。試行錯誤の4年。期待通り、あるいは期待以上の効果を感じている。

色んなコツを掴んできた。

もちろん、ウルトラだけでなく、ハーフやフルマラソンも後半も疲れないので、自己ベストもどんどん更新できるようになった。なので、見つけたコツは、シューズのランナーや、ウルトラを走らないランナーにも参考になるのではないかと思う。

 

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そこで、自分が今までに掴んできた「疲れにくい走り方」のコツを色々と紹介してみることにした。

まずは、その1。「腕振り」

疲れにくい走り方。腕振り

 

腕振りは、必要?

走っていると、腕振り、色々と気になる。どのぐらい振るのか。どんなタイミングか。肘をどれぐらい曲げるのか。などなど。

自分がベアフットでランニングしていて感じるのは、基本的に「腕」自体を振ることは、ほとんど要らないのかな、、と。

時々ランニングの教え、解説などにも、腕を振ること自体は、マラソン3時間以上などの市民ランナーレベルの人のランニングにはほとんど必要はない、と書いてあるものもある。

自分もそう感じていて、逆に腕を積極的に振ると、長い距離を走る時には疲れるので、腕自体は、あまり振らない方が良い、とも感じている。

ごく短い距離なら、腕を大きく、良いタイミングで振ると、足裏がすごくソフトに着地できる。ただしそれをすると結構疲れるので、とても長い距離は続けられない。そして、腕を自分で振らなくても、体を上手く使えると、足裏はちゃんとソフトな接地ができる。

 

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でも、実際には、しっかり腕は振っている。

左右の足を出すために体幹を使うので、その反動で、腕がプラプラを動く、と言う感じ。体幹や、あとは少し肩甲骨あたりを動かして、その反動で。

そして、せっかくある程度の重さの腕が動くのでこれを無駄にせずに、振り子のような反動として、上手い具合にできるだけ有効に使ってみよう、と言う感じ。

 

ベアフットランナーの自分にとって、腕振りとは

腕振りは、自分にとっては

1、体幹などが上手く使えているかの指標

2、体幹動きと手足の動きのタイミングがずれた時、修正する道具

として使っている。

と言う感じ。

これで調整すれば、ベアフットの足裏の衝撃が軽くなるのを感じることができる。

 

上手く走れているか、の指標2つ

一つ目は、肘の前(前腕部)がプラプラ、の確認。

速いマラソンランナーを見てみると、肘から前の部分(前腕)の部分は、比較的脱力して、リズミカルにポンポンっと動いている。太鼓を叩いている様な。Qチャンこと高橋尚子さんは、粉挽きのように左右にもプラプラ。クルクル。

自分は前までは、この肘から前が少し固定されていて、ここを前後に動かすようにして走っていた。あるいは疲れてくると、ここの固定が少し強くなったりしていた。

それを、肩甲骨をしっかり引いて上手く肩甲骨を脱力すれば、肘から前も脱力して、プラプラ・クルクルと回るようになる。そして、こうすると、ベアフットで感じる足裏の接地の衝撃が軽くなり、スタスタと走れる。膝が前にスッと抜けて(多分、膝抜き)いく感じになる。

二つ目は、肘をしっかり後ろに引けているか、の確認。

体が少し前傾になりすぎると、肘が少し前に出てきて、背中面に近くなる。姿勢を真っ直ぐにしてリラックスすると、自然に肘は背中よりかなり後ろに引かれた位置になる。この姿勢になると、接地した足が、接地の頃にはスムースに前に引かれて、足裏の衝撃がソフトになる。この肘の位置を時々確認しながら走っている。

 

腕振りで、体幹と手足のタイミングを合わせる、修正するコツ、3つ。

 

現在、自分が使っているコツは3つ

1.後ろ向き走りのイメージ

2.カスカス走り(オードリー春日のカスカスダンス)

3.両腕を揃えて、前後に振る。

 

後ろ向きランニングのイメージで腕を振る

後ろ向きランニングは、なぜか足裏の接地がすごくソフトになるので、色々なところで裸足ランニングの基本になる。

 

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腕振りもその一つ。

ある時、気付いたのが、前向きに走ってはいるのだが、腕振りのタイミングを頭の中では後ろ向きに走っているときのイメージにしてみると、足の衝撃が軽くなって、非常にスムースに走れる。

後ろ向きに走ってみると分かるが、転けないように、手足が自然に(本能的に)、スッスッとタイミング良く後ろに引かれる。本当に自然に。それをイメージしながら腕を振る。腕が振られる様に体幹を動かす、と言う感じか。

特に疲れてきた時に、この後ろ向き走りのイメージで腕を振ると、楽に走れる。足もクルクルとスムースに回る。

今では、この後ろ向き走りの腕振りのタイミングをイメージするのが、自分にとっては疲れない走り方での「No.1のコツ」となっている。

 

カスカス走り

走りながら、実際に「カスッ、カスッ、カスッ、カスッ」と言いながらオードリー春日のカスカスダンスをしながら走ったりしている。あの、両腕を引きながら胸を前に出すやつ。


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腕を引くのは、右足が前に出る時でも左足が前に出る時でも良い。そして、時々左右を変えてみる。右が4歩、左が4歩、などとリズムよく変えてみたり。

これをすると、体と腕のタイミングが合うだけでなくて、腕が後ろに引かれるタイミングで胸の前の部分がスッと前に出てスムースに走れる感覚がつかめる。

おそらく、体幹というか胸を前にグッと出すことで、肩甲骨が後ろにグッと引かれるので、このタイミングが、走る足にも会うのだろう。

足裏で踏ん張らなくても、体がスッスッと前に出るので、ベアフットで足裏の衝撃が取れる感覚もよく分かる。

 

両腕を揃えて前後に振る

以前、山登りをしていて長時間歩いて疲れてきた時、両腕を揃えて前後に大きく振りながらその反動で歩いてみた。そしたら、普通の腕振り、腕を左右、前後に別方向に振る時と違って、腕が振り子のようになって、グングン前に進んで楽だった。

そこで走っている時にも、ウルトラで疲れてきた時や、登り坂の時に、この感覚を、と考えて両腕とも同じタイミングで前後に振ってみた。そしたら体と手足のタイミングが合って、腕が振り子で体がそれに合わせて前に引かれて、グンっと進む感覚が分かった。歩くときは肘を伸ばして軽く握った手が重りという感じだったのが、走るときは、周期が速いので、肘を曲げた状態で、手と肘の両方を重りにした振り子の様に。

腕を前に振るのは、これも右足が前に出る時と左足の時とを数歩ずつ周期的に交互に変えて、タイミングを合わせている。

 

と言うことで、この3つをアレコレ周期的に混ぜながら、体と腕振りのタイミングを合わせながら走ると、疲れにくい走り方ができる。そして、疲れていても楽々と、ある程度のスピードを維持しながら走ることができる。

 

この5つのポイントを使いながら、ベアフットの足裏感覚を確認しながら。

現在、この5つのポイント(2つの指標と3つのコツ)で、腕振りは、ようやくしっかり掴めたな、と言う気持ちになった。

これまでは、特にシューズの頃は、どのタイミングの腕振りが良いのか、試行錯誤の繰り返しで定まらなかった。と言うのは、これが良いかなとチェックするポイントがスピードしかなかった。ガーミンのタイムを見て、この腕振り感覚、タイミングはスピードが出るな、としか。

しかし、一旦、良いかな、と思っても、次にやってみるとスピードが出ない。思った様な感覚で腕が振れない。どの方法が良いのやら。

ネットなどで色んな人が色んな解説(肩甲骨を引く様に走る、、とか)を書いているが、そんな単純には行かない。

というのは、実は、腕振り自体ではなく、体幹や手足との連動など、総合的なことでスピードが出るので。要するに感覚的な面が大きい。腕だけの話ではない。

それが裸足になってみると、上手い腕振り、タイミングになると、即、足裏感覚がソフトになるので、その場で答えがでる。と言う感じ。繰り返し確認することができるので、疲れにくい腕振りを探し易かった。

これかな、と思った腕振りを走り始めや、ある程度スピードが乗った時、ロングで疲れた時、など色んな条件の時に試してみて、どうすれば接地がソフトになるのか、答えを探す。と言うことで見つけた5つのポイント。自分はこれをチェックすると、確率よくいい感じの感覚になれる。

やっぱり、そう考えるとベアフットランニングがお勧めかな。自分なりの良い腕振り方法を確認できるかも。

 

と言うことで、ベアフットでなくても、疲れにくい走り方を模索している人に、自分のこの腕振りの感覚が、参考になるかも。