還暦となって最初の大会。
金龍ランナーを狙ってW部門276kmへ挑戦。
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中継点の小浜で睡眠時間とれず、不安のリスタートとなった。もう成るようにしか成らない、と割り切って行くしかない。
まずは、二晩目の睡魔との戦い
小浜の公民館、全体の中継点に、21時少し前に到着。
ボラで会場の手伝いをしている嫁さんに声をかけて、そのまま後半戦へ出発。
後半戦の敵は、睡魔!
最初から単独走ということもあって、すぐに強烈な睡魔が襲ってきた。
眠い眠い。フラフラしている。歩道が狭く、すぐ横を車が速いスピードのまま抜いていくので、危ない。
早々に諦めて、次のバス停で、ベンチにゴロリ。
5分ぐらい眠って目覚めると少し元気に。で、回復、と思って走り始めるが、またすぐに強烈な眠気が、、。で、また次のバス停でゴロリ。もう少ししっかり休んで走る。が、またすぐに睡魔が。
などしていたら、なんと22時間になって、1時間経ったのに2kmしか進んでなかった。
さすがにやばい、、と、次のバス停で缶コーヒー自販機で買って飲んで、また横になって、とにかく眠る。
目を覚ますと、ちょうど後ろからランナーさんが来た。以前、少しだけ話をしたことがあった方だったので、おしゃべりしながら歩くことに。
その方の早歩きが早いので、教わりながら真似をさせてもらう。そしたらガーミンで見ると、1時間6kmを超えるようなペースでじゃんじゃん進んでいる。これは良い!
そして、コーヒーの効果か、おしゃべりも良かったのか、目もすっかり覚めてきた。
その後、1人になったが早歩きで登りもジャンジャン進む。少し希望が出てきた。
後半戦完走の目安
ランナーさん達と話をしていると、島原城のエイド、230km地点を朝8時までにスタートするのが完走の目安らしい。雲仙への登りはとても走れないので、歩いて登ることになるが、8時にスタートすれば歩いても間に合う、と。
これを目安に計算しながら、進むことになる。1時間に6km進むペースで行ければ十分間に合いそう。
津波見エイド。187km。23時57分。
3時間で14km。いや後半2時間で12km。まずまず取り戻してきたか。
ただ、ここで、少し足裏のつま先付近が痛いのに気付いた。でもまあ、これだけ走ったのでそんなもんかな、と。
が、、、
この後さらにしばらく早歩きしながら気付いた。やっぱり足裏の指の付け根、いわゆる母趾球から小趾球に掛けてが痛い。どんどん腫れてくる感じ。
そして、気付いた。新しい歩き方、足裏のつま先への衝撃が強かった!!!
踵で着地したあとに、つま先付近をパチン、とつく時の衝撃なのか、後ろの足のつま先で一瞬踏ん張って蹴るような動きが入っているからか。こんな疲労の中で、初めての歩き方、いきなり取り入れるんじゃなかった、、。失敗。
工夫しながら、足裏を弧を描くように踵から爪先に順次着地して、後ろ足の踏ん張りを蹴らないようにすると少し良さそう。
ただ、痛みが強くて歩くのも苦痛になってきたので、191km地点のコンビニで止まって、少し時間を取って対策することにした。
この時点で1時ちょうど。あと7時間で39km。あまり余裕は無いが、早めに対応を、と。
足先にまたクッションが少しある絆創膏を巻いてその上からテーピングをぐるぐる巻きに。そして、ロキソニンを服用。
口之津エイド。194km。1時53分。
ミネストローネとトマトゼリー。胃の調子は平気。
幻覚とともに走る、、
ところで、二晩目になって、奇妙な幻覚のような感じがやたら激しくなってきた。街灯で少し明るいところやバス停の椅子などに何か物があると、すべて「人」に見えてしまう。「人影」どころではなく、完全にリアルな人。が、すぐ近くに行くと、全然ヒトではない。ちょっとした物、カゴだったり、何かの出っぱりだったり。
だんだん分かってきて、あ、これも「人」に見えるが多分また違うんだろうな、、と思って近づくと、やっぱり違った、、と。ただ、かなり近づくまでは、どうしても人に見えてしまう。いくらなんでもこれだけハッキリ見えるのだから、今度こそは本当の人、ランナーさんがバス停の椅子に座って休憩しているはず、と思っても、やっぱり違う。
でも逆に、また幻覚だろうな、と思って近づくと、今度は本当にランナーさんが休んでいたり。もう、この辺は、あきらめの境地。
この先、200km地点を3時16分に通過。
200kmを38時間16分か、、などと考えながら。
ただ、後で考えたら、この辺で気付かないといけなかった。このソフトな接地に修正した歩きではペースが上がっていないことを。走りと早歩きで1時間6kmは行けていると信じ、着々と進んでいると思っていたが、実はスピードが出ていなかった。
この先から原城跡に向かって国道を右折して街並みへ。このあたりは12時にスタートして103kmを走るP部門の人が、どんどん抜いていく。なので、それに引っ張ってもらいながら、走る。結構ついて行ける。少しペースも上がって、元気も出てきた。
やや不気味な原城跡の奥に入って、パンチを開ける。この辺、周りにP部門の人がちょうど沢山いて助かった。1人だと怖くて行くのに躊躇しそうな場所だった。
原城観光駐車場エイド。204km。4時10分。
原城を過ぎて、エイドに到着。
ここでようやく気付いた。あれ、島原城まであと26kmを4時間弱?1時間6kmのペースでは間に合わないぞ。いつの間にこんなにロスしたのだろう、、。と。
やばい、できるだけ走ろう、とスタート。
が、、ここで、またまた睡魔が、、。走れない。コーヒー飲んでみたが、もう効かない。もう半端なく眠い眠い。走ろうにも走れない。走りどころか、歩きもフラフラ。休んでいる暇はないとは思いながらも、一度バス停のベンチで横になった。が、起きてみたら、全然だめ。眠気が取れない。
やがて、日が明けてきて、ようやく眠気が治まってきた。で、なんとか走り続ける、、。が、平坦な道を、ほぼ走り通しているつもりでも、ようやく1時間に6kmペース。
堂崎エイド、215km地点。6時25分着。
生姜豚汁が身体に染み入る!!!
ただ、、島原城まで、あと15kmを1時間半?これはもう無理、、、。完走の希みが遠のいている現実を突きつけられた感じ。ただ、島原城に8時には間に合わなくても、できるだけ早く着いて、雲仙の登りをできるだけ走ってみよう、、と。とにかく進む、、。
ここで東の海、天草の山の上から朝日が。雲の間から真っ赤な陽の光の柱が真っ直ぐに天に向かって伸びている。(写真では、分かりにくいが、、)
あまりにも綺麗で、ちょうど一緒になったランナーさんが、きっとこれは何か良いことがあるね、、と。そう信じて進むしかない。
ここからはなんとかできるだけ走り続けながら島原の街へ。
道の駅ふかえエイド。224km地点。8時12分着。
やっぱりペースが上がっていない。1時間に6km進めない。これが限界か。
ここは嫁さんがボラをしていて、完走が難しいことを伝えた。ただ、身体自体はまだまだ元気。歩きの時間が増えてきたが、ある程度、走り続けることもできる。行くしかない、、。
島原城エイド。230km。9時30分着。
ここの関門は10時。通過は可能。ただ、次の関門は眉山の上。高さ490mを登る。とても間に合いそうにない、、
が、昨年春の橘湾岸ウルトラのとき、もう次の関門に絶対間に合わないと分かった時にそこで棄権したら、後になって、なぜ実際に関門にかかるところまで行かなかったのか、と後悔した経験があった。
なので、今回はとにかく行けるところまで。9時40分には再スタート。
次の平成新山展望園地エイドのチェックポイントまで8kmとちょっと。ここを1時間40分以内を目指して。
武家屋敷跡を抜けて、広い道路に出たら、目の前に急な登りが、真っ直ぐな広い直線道路なのに先が見えないほど延々と続く。とても走れるような坂じゃない。
相当進んで、ようやく左折して、、眉山ロードへ。しかし、やっぱり延々と急坂。とてもとても走れるどころではない。
と言うことで、途中でやっぱり到底無理、、となった。あとは気持ちが続かない。途中座って休憩したりしながらトボトボと急坂を延々と登る。
平成新山展望園地エイド。239km。11時50分着。
関門時間をすでに30分過ぎている。
と言うことで、ここで終了。
エイドやボラの方達は、順次、先のエイドの開設に向かわないといけないので、自分がついた時にはすでに撤収済み。収容の担当1人を残して、ちょうど荷物を積んだバンが出発するところ。
が、ボラの方が、ビール飲みますか?の有難いお言葉!。
「ありがとうございます!!!!」
関門にかかった失意なんて吹っ飛んで、もう満面の笑顔に。
まあ美味しいこと美味しいこと。(ちょっと苦かったけど)
3日の13時に出発して、ほぼ47時間。ほぼまる二日。よくもまあ、ここまで動けるものだ。人間の身体って、ほんと凄いなあ。
もう1人、後ろを走ってきたランナーと回収車に乗って、少し先のエイドへ。
ちょうどそこは、嫁さんが先回りして待っていたところだったので、そこでコルドリーブスに乗り込んで、完全終了。
戦い終わって、、
雲仙の温泉街に上る道すがら、着々と進むランナーに、車の助手席から声援を送る。みんな凄いなあ、、、。
雲仙の日帰り温泉で、汗を流し、そこの駐車場でしばらく仮眠。
小浜に戻って、荷物をピックアップ。
すでにゴールの人も沢山いて、知り合いを見つけては労いながら。
夜飯は、「潮入」へ。
春は建て替え中だったが、今回、新しい店舗になっていた。
一気に若々しい雰囲気のお店に変身。広い窓から良い雰囲気の海を見ながら、がっつりとちゃんぽんを頂く。
夜の車中泊、は前回と同じ、マラソンの聖地、石合公園。泥のように就寝。
6日月曜は朝6時起床。10時間近く寝たか。
昼からは仕事なので、早々に出発し帰宅。(午前中は休みを取っていた)。それにしても、昼から、意外と普通に働けるもんだ。このエネルギーどこから出てくるのだろう。
まあ結果は残念でしたが、たくさんの経験、体験ができたランでした。
本当に、献身的なボランティアさんたち、、に感謝。嫁さんにもほんとほんと感謝。
健康な自分の体にも感謝、、。でした。