下り坂が苦手。ワラーチで会得したウルトラマラソン下り坂の走り方

ウルトラマラソンを走っていて、ずっと長い間、下りが「超」苦手だった。

ネットなど、特に動画などで解説している下り坂の走り方、たくさん調べてきた。

何度も色々と試すけれど、全然よくならない。

 

ウルトラマラソン下り坂の走り方

 

しかし、最近ようやく克服。下り坂の走り方を発見。

それが、、

 

1。足を伸ばして、最下点で接地

   これが一番のポイント。

   体は後傾でもOK。足の回転数は早くしなくてもOK

 

2。腰で、接地した足より前方向に体重をかける

   

この2つだけで、OK

 

そして、

3。余裕があれば、その後、徐々に体を地面に垂直に(前傾へ)

   これで、よりスムースに走れる。スピードも出る。

 

ワラーチでも全然大丈夫なぐらいなので、もちろん足裏への衝撃も最小限。シューズのクッションなんて、全く必要ない。

前回、大村湾一周130kmの時も、沢山あった下り坂、全然大丈夫だった。

あくまでも自分のポイントなので、他の人も同じなのかは分からないが、他の下り坂苦手ランナーさん達にも効果があるかも、、、 

 

ウルトラマラソン。下りが苦手だと、かなり辛い。

ほとんどのウルトラマラソンには、たくさんの上り坂・下り坂がある。この上り下りを走るのは、得意・不得意がはっきりと出てくる。自分は下り坂が超苦手。

膝と腰に、ガンガン衝撃が伝わってくる。とてもスピードなんて出せない。(出せなかった)

 

逆に上りは、どちらかと言えば得意。

ワラーチ、飛騨高山ウルトラ

なので、上りでは、きついのに仕方なく一生懸命走っておく。周りの人たちを抜いていくことになるが、、そして、下りで「ゴボウ抜かれ」。これの繰り返しで、抜きつ抜かれつ。

下り坂が得意な人は、重力の下りの恩恵を受けて楽に下って、上りはゆうゆうと歩いている。

こちらは、上りで走って体力削って、下りでも、膝や腰に負担をかけながら、苦しみながら下って。なんとも割に合わない。

 

下り坂の走り方、解説や動画、参考にならない、、。

これまで、ネットなど、特に動画などで解説してある下り坂の走り方、色々調べてきた。試すけれど、全く参考にならない。

なぜかと言うと、、

 

ウルトラマラソンの下り坂は、フルマラソンとは全然ちがう!

問題の一つは、自分でもハーフやフルマラソンなら、下り坂はあまり苦手じゃない。むしろ嬉しい。一気に加速。そして、そんなときには膝や腰にもそれほど負担もかからない。

 

下り坂。三股ハーフマラソン

ネットでよく見かけるコメント。

少し、前傾。坂の角度に垂直に体を。

ブレーキをかけずに。

回転数を上げて。

 

そんなこと分かってる!

元気なうちは、いくらでもできる。それに、フルマラソンでは、下りの傾斜も緩やかだし、一つの下りの距離も短い。

 

ところが、ウルトラマラソンは、まったく条件が違う。

体はそんなに元気には動かない。前傾して、ブレーキかけないでスピードが上がると、足がついてこない。回転数上げるなんて、とてもできない。スピードが上がると、膝や腰への衝撃も強くなる。痛みに耐えられないし、筋力も落ちているので、衝撃へ対応できなくなってくる。

そして、坂といっても、傾斜も距離も全然違う。ウルトラでは峠道が多くて傾斜がとにかく強い。しかも、そんな急な下りが延々と5km以上続いたりする。30分以上、ズーーッと急な下り坂。

 

下り坂の走り方。しわいウルトラマラソン

 

kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com

 

下り坂の走り方を解説する動画には、根本的な問題が、、

下りをスムースに走れる人が、いくら説明したって無理。

それができないから、苦手なんだから。

なぜできないか、なぜ前傾になれないか、を教えてくれないと。

(逆に、自分は上り坂のコツは解説できないと思う。だって、なぜだか最初からできるんだから。自分なりのコツは確かにあるが、苦手の人が、なぜ苦手なのか、どうやったら克服できるかが分からないから、アドバイスしようがない)

 

実際に、下りが上手い人を見ると解説と全然違う、、

ウルトラでキツいはずの距離でも、下りが得意な人は、さっそうと下っていく。

でも、足の回転数は、決して早くない。そして、それほど前傾もしていなくて、かえって少し後傾ぎみだったりする人もいる。(少しオーバーウェイトぎみの人も)

でも皆さん、楽そーに、スタスタと下りの恩恵を受けながら軽快に、どんどん下って行く。すぐに後ろ姿も見えなくなってしまう。

 

全然、動画の説明と違うじゃん!

前傾、いらない。回転数、いらない。でもみんな楽そうに下っていく。

 

自分も、たまにできたりする。

今まで何回か、ウルトラの最中に、疲れていても気持ちよく下り坂を走れたことがある。タイミングが合って、あ、この下りの走り方、楽だなー、っと。

よし、これで極めた、と思っても、次にまたやろうとすると、できない。

練習で峠走をして、ウルトラペースで走っていても、ときどきハマることがある。あ、今いい感じ、と。でもそれが、毎回すぐにはできない(できなかった)。どうして、そのようにできるのかが、わからなかった。

 

ついに下り坂の走り方を会得

それで色々試行錯誤。

どうやったら、楽な時の走り方に意識的にもっていけるのか。なぜ、そのフォームだと、楽になるのか。

そして、ついに発見。

最近は、ウルトラペースで峠走をしても、下りに入った瞬間に上りの走り方から下りの走り方に意識的に変えられる。そして、今年の春の、ジョグトリップ大村湾一周130kmでも、後半の下りでも、全然問題なし。軽快に下れた。ついに、苦手克服!

大村湾一周130km。下り坂の走り方

 

kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com

 

 

自分流、下り坂の走り方

1。足を伸ばして、最下点で接地

   これが一番のポイント。

   後傾でもOK。足の回転数は早くしなくてもOK

2。腰で、接地した足より前方向に体重をかける

   

この2つだけで、OK

 

そして、

3。余裕があれば、その後、徐々に体を地面に垂直に(前傾へ)

   よりスムースに走れる。スピードも出る。

 

第1のポイントは、足を最下点まで伸ばしたところで接地する

イメージとしては、走る時にクルクル回っている足が、最下点まで踏み込んで伸ばした後で接地すること。

別に、接地が体の前になっても良いので。前傾にならなくても大丈夫。怖い時は、少し後傾でもいいので。とにかく足を踏み込んで伸ばして、すでに最下点になってから接地するイメージ。

 

ウルトラマラソン 下り坂の走り方

 

イラストでは、左のところではなく、右のところ。実際には足は丸くは回っていないのだが、あくまでも、頭の中のイメージはこんな感じ。最下点。

トロッティングのような、足を体の真下に手前に引き戻すイメージは「ない」。とにかく足を伸ばして一番下。

このイラストに下り坂のラインを入れてみるとこんな感じ。

 

下り坂の走り方。足を最下点に。

 

二つのイラストを見ただけでも、左はなんだか衝撃が強そう。右はなんだか楽そう。体は前傾になってない。もちろん、地面の傾斜に垂直なんかじゃない。でも楽そう。

なぜ?

ちなみに左は、まさに以前の自分が下り坂の時のイメージ。そりゃあ衝撃、強かっただろう。

 

左は体の前に着地しているからだろう、と言う人もいるかもしれない。

でも右も結構前に着地している。

さらに言うと、少し無理やり後傾の画像を作ってみた。

下り坂の走り方。後傾でも大丈夫

 

 これなら、左のと比べても重心から足の前への出具合は一緒。でも、それでも右のイラストは、楽そうに見える。(実際、ウルトラでは、こんな感じでスムースに降っている人もいる)

 

あるいは、右の図は、フリーの方の足を、早く前に出しているから、と言う人もいるかもしれない。接地したら、すぐに反対の足が前に追い越していく感じ、と解説にもよく書いてある。

そう、正にそうなんだけど、それはよく知っていて、分かっていて、やりたいんだけど、どうやったら、フリーの足が早く接地の足を追い越してくれるのかが分からない。

そこを教える解説が欲しかった。

 

なので、解説がこれ。なぜ、接地を最下点にすると良いのか。

 

ランニング。最下点で接地。フリーの足の位置

 

接地の足が最下点、ということは、イコール、逆のフリーの足は最上点。

やってみたら分かるが、当然と言うか。自然にそうなってしまう。

だから、フリーの足は、接地の足をまさに追い越すところ。あとは前に行くだけ。

 

なぜ左のイメージのような最下点より前で接地してしまうのか。

以前の自分の接地タイミングは、左のイラスト。接地は最下点より前。

と言うのは、足が接地した後に、一度柔らかく膝を曲げることで衝撃を吸収しないといけない、と思っていた。そして、衝撃を吸収した後に、膝を伸ばして踏み込んで後ろに流す、と言うタイミングしかないと思っていた。

接地 → 衝撃吸収 → 足を踏み込む → 最下点へ。

つまり接地は最下点より前。

接地の瞬間に、足を前から後ろに素早く流して、とイメージでしたこともあった。少し良い感じだった。これでも、接地は最下点より少し前。

しかし、最下点より前で接地している限り、必ずフリーの足は最上点より手前(後ろ)。早く前に出そう、としても出てこない。

 

と言うことで、逆に言えば、最下点で接地さえすれば、自然にフリーの足はすぐに接地の足を追い越してくれる。

別に、接地が体の前になっても良い。前傾にならなくても大丈夫。怖い時は、少し後傾でもいいので。とにかく足を踏み込んで伸ばして、すでに最下点になってから接地するイメージ。そうすれば、自然とフリーの足が接地の時には、前に出てくれる。

最下点の接地では、衝撃は強くないの?

この新しい接地タイミングがいい感じと気付いてから、意識的に足を踏み込んで最下点にもってきてから接地。足裏をパチンと地面に少し叩きつけるイメージで素早く上から下へ。時々書いてあるのが、カンカンを上から踏んで、クシャッと潰す感じ。まあそんな感じ。

最初の頃は、足裏が痛くなりそうで一瞬ためらっていた。特にワラーチなので足裏はクッションほとんどなし。ちょっと躊躇したくなる。

しかし、ぐっと踏み込んで最下点、、で着地すると、一歩目から痛くない。なので安心して2歩3歩と、すぐに安心して踏み込めるようになる。

実は、最下点で接地すると、衝撃が一気に軽くなる。

 

なぜ、これで衝撃が軽くなるのか?

上にも書いたように、接地の足が最下点、ということは、イコール、逆のフリーの足は最上点。

なので、フリーの足は、後は前に出るだけ。そして、その後下がるだけ。

下り坂の走り方。最下点での接地

その下がる反動で接地の足は、必然的に上に引き上げられる。なので接地の衝撃が少ない。

接地の足が最下点なので後は上がるだけ、と言う面もあるが、感覚としては、フリーの足が下がので、自然に接地の足は上がるしかない、と言う感じになる。

さらに言うと、

接地に向かう足を勢いよく下ろせば下ろすほど、フリーの足は勢いよく上に上り(勢いよく前に出て)、接地の瞬間に、そのフリーの足が下がる方向に向かう瞬間に、接地の足だけでなく体もフワッと浮き上がる、と言う感じ。

接地の足に体重がかかることなく、スムースに前に体重が進んでいく。

 

逆に以前の自分の接地のイメージでは、衝撃が強かったのも理解できる。

上の左図のように足の接地が最下点より少し前、だと、反対のフリーの足は、最上点よりまだ下。接地した後に、さらに上に上がらないといけない。その上に上げるための衝撃も接地した方の足に加わる。しかも、まだ後ろなので一気に接地の足に体重がかかり、衝撃が強くなる。

 

ちなみに、、

足をクルクル回す最下点とは書いたが、今の自分の走りの感覚では足は足踏みのように、あるいはピストンのように上下させている、と言うイメージも持っている。なので、自分の感覚の中では、上下の足踏みの、最下点。とも言える感じ。

それと、膝や腰は完全に伸びるわけではないが、普段走っているときに足がクルクル回って最下点のときの膝の曲がり方。腰の曲がり方。

別の言い方では、足の裏を、上からすっと伸ばしていって、一番伸ばしたところで接地するイメージ。一番下になった時に、ちょうど地面に接地する感覚。踏み込んで、一番下、、。

 

後傾でも良い?

後傾でも大丈夫。後傾のままでも、足が最下点で接地するように勢いよく振り下ろす、というか、踏み込めば、大丈夫。

下り坂のランニング。後傾でも大丈夫

よく、後傾だとカカト着地になる、でブレーキがかかる、衝撃がかかる、と書いてあるが、後傾でも足が最下点なら、自分はミッドフット着地だし、ブレーキもかからないし、衝撃もない。(ワラーチでは痛くて、下りをかかと着地は、逆にさらに難しい)。もちろん、ミッドフットで着地して、その後に踵がつく感じ。

接地したときには、反対の足は最上点なので、腰はスムースに前に行って、変な接地のブレーキはかからずにスムースに下れる。

 

第一、いきなり前傾しようとしても、到底無理

下り坂に入ると、どうしても無意識に体がブレーキをかけたくなって、接地が前になってしまう。この接地をなんとか後ろに、体を少し前傾に、と思ってやってみても、ただスピードが速くなるだけ。怖くて走れない。なので、どうしても少し前に接地して、少しでもいいのでブレーキをかける必要がある。

なので、どうやったって前傾になれない。特に疲れていて脚力がなくなっていたり、下りの傾斜が急だったりすると、スピードが上がるのが怖くて、前傾になれるわけがない。これは、何度も意識的に練習してみたが、いかんともしがたい。

なので諦めて、接地は少し前でもいいと。とにかく、足を踏み込んで伸ばして、すでに最下点に伸ばして、その直後に接地するイメージ。 

下り坂の走り方。後傾でも大丈夫。最下点で接地

 

第2のポイント。体重は、接地の足より少し前方にかける。

軽い接地になるとはいえ、少なからず足に体重は乗ってくる。

その体重を完全に足に載せると衝撃になる。特に後傾気味だと、少なからず衝撃になる。下の左のイラストのように。

そこで、体重は足より少し前方の位置にかける。と言うイメージ。右のイラスト。

これだと、後傾でも、体重は前に流される感じなので、接地の足に衝撃がかからない。

 

下り坂の走り方。体重をかける方向

この体重を前方にかけるためにも、「接地が最下点」は重要。

最下点より前で接地すると、それより前に体重を向かわせようとしても、なかなか難しい。最下点であれば、それより前方にすぐに体重をかけることが出来る。

 

そして、前傾へ。体を地面に垂直へ。

そのまま少し後傾のままでも走ることはできるのだが、、

一旦、後傾で、この「最下点で接地」のタイミングでスムースに下り始められると、、

あら不思議。そのまま少しづつ前傾に持って行くことができる。

下り坂の走り方。後傾から前傾へ

スピードはコントロールできているし衝撃も少ないので、恐怖感はなく、安心して前傾できる。地面と垂直。そうすれば、さらにスムースに走ることができる。

スピードはさらに上がるのに、接地はさらに軽くなる。頑張って踏み込んでいるつもりでも、ミッドフットからさらにフォアフットになってきて、踵は全く地面につかなくても良いぐらいになってくる。

今ではこれに慣れてきたので、下り坂に入ると、まずは後傾でいいので最下点での接地を心がけて走って、5-10秒ほどで、そのタイミングでスムースに走れるようになるので、それから前傾に持って行く、という具合にしている。

 

ウルトラの下り坂

と言うことで、今は下り坂を見ると嬉しくなるようになった。

前回、大村湾一周130kmの時も、下り坂、全然大丈夫だった。

途中、脱水気味でへばった時も、100km付近の大村市に入ったところにある、鬼のような登り下りも、安心して走れた。もちろんワラーチ。ソフトな接地で。

陶芸の里ジョグトリップで、荒いゴツゴツのアスファルトで一年前は痛すぎてとてもまともに走れなかった下りも、今年は全く平気。気持ち良く、楽々爽快に下った。

 

kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com

 

 

下りが苦手な方の参考になれば。

そして、ワラーチでは下りのとき、衝撃が強くて足裏が痛くなる人にも参考になれば、、。

 

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