腸脛靭帯炎をストレッチなどで治して走れるようになったとしても、原因を知らないままでランニングフォームを治さないと、結局いつかは再発する。
そこで、ちょっと、腸脛靭帯炎の論文読んでみた。何百とある世界中の研究で分かっていることとは?
その前に、腸脛靭帯炎をネットで調べてみた。けど、、、
先日、自分のブログで腸脛靭帯炎について書いてみた。
kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com
その機会に、他のブログやネット情報を見てみたが、ちょっと違和感。
整形外科医のページ、、、。病気の説明が書いてあったり、治療法が書いてあったり。でも肝心な、再発をしない走り方が書いてない。まあ、整形外科のお医者さん、ほとんどはマラソンなんて走ったことないだろうから、当たり前か。
それから一番多いのが「整体」関係のもの。筋肉が硬くなる、や、アラインメントが悪い、、って、。確かにそれで痛みは改善するだろう。でもそれを治しても、、結局、どうやって走ったら良いのか。それが書いてない。まあ、これも、マラソン走ったことがない人がほとんどなので、仕方ないか。
ランニングコーチのもチラホラ。でも、筋トレやストレッチや、あれやこれや。とても一般ランナーは、そんなの全部やっておられない。それにやってなくても、腸脛靭帯炎起こさない人、周りにたくさん居るし、、。ほんとにやらないと治らないの?
どうも、どれもしっくりこない。
今、分かっている原因は、
世界中でアスリートが、たくさんの市民ランナーが、腸脛靭帯炎に苦しんでいる。トレーナー、スポーツドクターたちは、この難問を解決しようと長年、取り組んでいる。
なので、スポーツの論文、医学論文では、何百もの研究結果が発表されている。研究の中には、地域の何百人ものランナーをすべて調べたりする膨大な研究もあったりする。
一つの研究で、これが原因、と発表されれば、次の研究で厳重に調べたら、やっぱり違った、の繰り返し。みんな血眼。
一つ二つの整体院で何十人かを経験したのとは桁が違う。ランニングコーチの限られた経験とは、信憑性も全く違う。本当に治ったか、なんて、軽々しくは言えない。できるだけ全員を何年も経過をみて、ようやく判断できて結論が出て論文になる。
それらの最近の論文、いくつか読んでみた。
中でも、特にこのような、何百もの論文をチェックしてまとめてくれるようなsystematic reviewという論文は、参考にしやすい。
専門家では無いので、完全には理解できないところもあるが、どうも、結局今、分かっていることは、たくさんの要因が複雑に重なっていて、単純な物ではない、と言うこと。人によって差もあり。これをやれば必ず治りますよ、というのは、今のところ、まだない、ということ。
そして、その中でも、原因として、少なくともこれはからんでいる、と現時点ではっきり証明されているのは、、、、
股関節の内転・内旋と、膝関節の内旋は、悪い。(男女で悪い動きに差がありそう)
たったこれだけ。みたい。
(ちなみに、これは、膝の内旋)
その他にも、候補はいくつかあるが、、まだ証明されてない。
最近、その他、新たな手法の研究で筋肉が収縮するスピード、とか神経と筋肉の反応などなんだか複雑なものが、原因となっていそうな論文も出始めているけど、これらもまだ完全に証明はされていない。
そして、原因の要因ではない、と否定されていたものもある。
例えば、外転筋群(中臀筋など)の筋力が弱いと起こすので、外転筋群の筋トレをしよう。とよく言われる。確かに、そのような研究が発表されたことがある。しかし、それを確認しようとして何百人かのランナーを調べた研究では、腸脛靭帯炎になった人とならなかった人、外転筋群の筋力には差は無かったのだそうな。つまり、どうも関係は無いみたい、と言うのが、この論文の見解。
足関節などの角度、、これも時々書いてあるが、これも以前、そうだという研究があったけど、最終的には関係ないみたい、となっていた。
今できること
もし、今痛くて困っている人が居れば、まずは安静。そしてストレッチやマッサージ、整体などでの治療、頑張ってください。
そして、痛みが和らいで、また走り始めたら、、
とにかく今できることは、
1。股関節の内転・内旋をしない、
2。膝関節の内旋をしない
の二つに気をつけて、走るということ。
今できること、分かっていることは、これだけ
(もちろん、専門のコーチにフォームを直してもらう、と言うのが一番だろうけど、なかなかそんな機会を作れる人も少ないだろうし)
ネットには、たくさん情報がありすぎ、、。
ネットで色んな記事を読んで、色んなことが書いてあって。
なので、色々試して、、で、悩んで。そうこうしているうちに、またうずき始めて、休まないと、ストレッチしないと、を繰り返して。。。たくさん情報がありすぎ。
決して、色んなネット情報を否定しているわけではない。読むと、なるほど、と思う。でも結局は、この股関節と膝関節の動きに集約されていそう。
例えば、このページ、、(決してディスっているわけではありません。その通りだと思うのです。そして、、痛み改善前と後のがあまりにも分かりやすくて、参考にさせてください)
これに、筋膜を解した前と後、痛みがある時と改善した後の写真が載っていた。(すいません、写真、お借りしました)
左が、痛い時。そして、右が、痛みが改善したあと。筋膜をほぐした後。として紹介されていた。
が、これって、、
左の痛い時、この曲げ方が、まさに、股関節の内旋、と膝関節の内旋、の典型的な悪い曲げ方。
そして右が、股関節と膝関節が、まっすぐ、の曲げ方。理想的な曲げ方。
つまり、筋膜をほぐして改善した、と紹介されていだが、論文から解釈すると、たぶん、この関節の動きがまっすぐできるようになった、ので、痛みが改善した、と言うことなのだろう。これが、まさに示されている写真だった。
ちなみに、腸脛靭帯炎になったことがある人は分かると思うが、完全に痛めて痛い時はこの右の良い曲げ方、姿勢ができない、、。腸脛靭帯周囲の筋肉はガチガチでスジのようになっている。筋膜を解してもらったり、アラインメント、と言うようなものを整えてもらったりして、この姿勢ができるようにしてくれる整体、は、自分もとても重要だと思っている。自分も良く利用して助けてもらっている。本当にいつも感謝です。
でも、、、やっぱり情報過多。最低限まず忘れてはいけない上の二つ、股関節と膝関節の内転内旋。確かに、ほとんどのに書いてはあるのに、埋もれてしまっている。
ウルトラマラソンで腸脛靭帯炎になって気づいたこと
自分は、これまで何度も腸脛靭帯炎を繰り返してきた。その度に色々調べて、色々試して、今度こそは治ったかな、と思って、でも再発を繰り返してきた。結局、何が一番重要なのかが分からなかった。
ランナーなら、おそらく分かると思うが、常に、より良いフォームを追求する。現状維持で、ではなく、もっと速く、もっと長い距離を、などの気持ちがあり、そのためにフォームを改良する。楽に走れるフォーム、速く走れるフォーム、を発見。と思っていたら、また腸脛靭帯炎。2年ぐらい再発しなくて、もう大丈夫かな、と思っていても、そのフォームを変えたことがきっかけで、再発。となる。
でも、最近、最終的に完全に克服した、と思っている。
kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com
その自分が気づいたポイント。なんと今回まさに論文に挙げてあった二つ、股関節の内転、内旋と膝関節の内旋をしない。と完全に一致した。やっぱり。(なぜ気づいたか、なぜこの二つをしないと痛くならないのか、が説明してあるので、是非、前のブログも読んでください。)
実際に、100km以上の超ウルトラでも、途中でうずき出しても、これさえ気をつければ、その先は大丈夫。
原因を知ってしまうと「すごく気が楽」。これがとても重要
原因を理解してしまうと、さらに大きなメリットが。
これまで何度も腸脛靭帯炎を繰り返してきたが、治ったと思っても、いつも常に心の中で怖かった。またいつ再発するか。ウルトラを走っていても、またいつ痛み始めるんだろう、、と、不安をどこかに持っていた。
それは、原因を知らなかったから。
でも、今は原因を知ってしまったので、すごく気が楽。超ウルトラを走っていても、うずき出したら、こうすれば良い、と分かってしまったから。そして、この「気が楽」と言うこと。それがとても重要!
途中で何が起きるか分からない超ウルトラ。不安が一つ減る、と言うことがどれだけ大きな助けになるか。
kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com
人によっての違いがあることは、忘れずに
自分は、今のところこの股関節と膝関節の内転、内旋にだけ気をつけていれば(あとはワラーチ、練習は裸足ラン)、腸脛靭帯炎を克服できていそう。
kimamanitabishitetanoshikurun.hatenablog.com
でも、研究論文にあるように、本当に人によって色んな原因が複雑にからみあっているみたい。なかなか難しい問題みたい。
なので、これだけで皆さん治るとは到底思わないけど、少なくとも、この二つだけはまずは注意するのは忘れずにおいたほうが良さそうです。
ご参考になれば。